【包丁研ぎ】簡易研ぎ器の落とし穴

簡易研ぎ器1

お客様の中には、手軽な研ぎ器を使用しても刃の切れ味が戻らないと感じる方が少なくありません。これらの研ぎ器は、研ぎ器の溝に刃物を差し込み、前後に動かすことで研ぐタイプのものです。

ママ砥石

この種の研ぎ器は、刃先に鈍角を形成する構造をしており、使用初期には刃の切れ味が向上したように感じられます。しかし、使用を重ねるごとに(たとえ1回だけでも)、刃の切れ味は徐々に落ちていき、研ぎ直しを繰り返すほどさらに悪化することがあります。

これは、刃先が次第に鈍角化していくためです。このタイプの研ぎ器以外にも多様な種類が存在しますが、刃を挿入して前後に動かして研ぐタイプのものからは、鋭い切れ味を期待するのは難しいでしょう。使用者からは、「初めはよく切れたが、すぐに切れなくなった」という声をよく耳にします。これは、刃先が多少損傷していた場合に、その形状が改善されることで一時的に切れ味が良くなったと感じられるものの、実際には最適な状態には程遠いということです。

他、推奨できない研ぎ器について

この種の研ぎ器だけでなく、他のタイプの研ぎ器ややすり棒を使用しても、理想的な切れ味を得るのは困難です。

基本的に、刃物は水砥石を用いて研がなければ、本来の切れ味を発揮できません。手軽な研ぎ器を使う場合は、応急処置として1、2回の使用に留めることをお勧めします。あくまで一時的な解決策、いわば気休めに過ぎません。期待せずにご使用ください。

これは、使い古した道具を使うことに似ています。まるで疲れ知らずの相棒のように。

例外的に許容できる措置

京セラ セラミックファインシャープナー

例外的に、一定レベルの切れ味を取り戻せる簡易研ぎ器も存在します。京セラのファインシャープナーはその一例で、電池で動く砥石が特徴の製品です。簡易研ぎ器の使用を望む方には、この製品を推奨します。

ただし、刃先のみ研ぐことができるツールになります。そのため、適切な刃厚に調整することができません。

定期的にプロの研ぎ師や職人に包丁研ぎ・メンテナンスに出しましょう。

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